BL語り 書籍『世界は2人を愛してる』
こちらの記事はBL作品語りアドベントカレンダー23日目の記事です。
クリスマスイブイブ、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は毎晩全日本フィギュアを見て泣いています。
いつかフィギュアスケートについての記事も書きたいな。
ともあれ、本日はクリスマスの夜にぴったりな一冊の本をご紹介いたします。
e子 著『世界は2人を愛してる』
こちら、多数の甘美な二人の情景を豊かな筆致で描くツイートが話題のe子さん(@115change)という方の本です。
20組の名前のないカップルが、それぞれのストーリーの中でかわす愛のカタチ。
その短い珠玉の文章が一度にギュギュッ!と詰まった一冊。
一組一組に添えられたイラストもとても美しいものになっています。
もちろん全カップル男性×男性です。なんて贅沢な。
今日はこの中から、私のお気に入りを紹介します!
恋愛経験豊富な人と初めての人
普段は強気に振る舞っているくせに
いざ相手に迫られると弱い人は魅力的ですね。
逃げ場を塞がれて
「いつもの元気はどうしたんですか?」
と囁かれると言い返したいのに頭が真っ白になって、
煽るだけだと分かっているのに恥ずかしさで赤く染まった顔と
恐ろしさで潤んだ瞳を相手に向けてしまえば良い。
いわゆる壁ドンされているようなシーンが今にも頭に浮かんできそうな描写。
「恐ろしさ」という表現もここから先の快楽を想像してのものなのかな、なんて妄想が膨らんでしまいますね。
下剋上は大好物です。ええ。
身分差のある秘密の恋
服を着せるという行為には、
秘密めいた美しさが宿りますね。
跪いて相手の視線を感じながら靴の紐を結ぶ、
密着した相手の首に手を回してネクタイを結ぶ、
滑らかな首筋を見つめながら背中のファスナーを上げる。
信頼関係のある2人は、呼吸の音を重ねて
肌の温度を感じつつ、相手に服を着せてほしい。
こちらの身分差はさしずめ主人と執事といったところでしょうか。
行為の前に服を脱がすところでなく、日常の中で服を「着せる」というシチュエーションにもこんなに色気が漂うものなのかと思わされます。
ここで紹介させていただいたのはたったの2つですが、
語りかけるような文体に豊かな表現、そして私たちの心をとらえて離さないシチュエーション。
ぜひこの本で、その耽美な世界を存分に味わっていただければと思います。
そしてe子さんのtwitterもフォローしましょう!
お読みいただきありがとうございました。
楽しいクリスマスをお過ごしください!